岸田首相、寺田総務相の続投明言せず「適切なタイミング判断したい」

 岸田文雄首相は19日午後、訪問先のタイ・バンコクで記者会見した。政治資金の問題が相次ぎ指摘されている寺田稔総務相の進退について「どうあるべきかを内閣総理大臣として判断していきたい」と発言。
続投を明言しなかった。

 首相は、「この臨時国会、さらには、年末にかけてまさに勝負の時が続くと考える。これまで積み重ねてきた議論を、必ず結果に結びつけていく。そのため、この2カ月間、政権の全ての力を、これら課題の一つひとつに集中していきたい」と強調。
「政権全体のこうした方針を最優先していく」と語った。

 その上で、「各閣僚においても、各自に求められる説明責任は徹底的に果たしていただかなければならない」と語り、「この二つの観点からどうあるべきか。これを内閣総理大臣として判断していきたい」と述べた。
「適切なタイミングを内閣総理大臣として判断していきたい」とも述べた。

 寺田氏をめぐっては、自身の政治資金をめぐる不透明な事実が次々と明らかになっている。寺田氏はいずれも「事務的なミス」などと説明しているが、政治資金規正法を所管する総務省のトップとしての資質を疑う声が続出。
辞任を求める声は与党からもあがっている。寺田氏は18日の閣議後会見で「直接、その声(辞任論)は耳にしていない」と述べ、辞任を否定した。

 一方、首相は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題を受けた被害者救済に向けた新法について「政府として、与野党からのご意見も参考にしつつ、できるだけ早期に、法案を今国会に提出したい」と語り、
「提出をした上は結果につながるよう、政府としても最大限の努力をしていかなければならない」と述べて、成立に意欲を示した。(バンコク=西村圭史)

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