清掃業者が語る「汚部屋」の惨状、若い女性からの清掃依頼が急増する背景

コロナ禍で増えた仕事の一つに、「ゴミ屋敷」や「ゴミ部屋」の清掃依頼がある。巣ごもりにより、
家で過ごす時間が長くなって散らかる部屋と、宅配やテイクアウトの食事、通販の活用などゴミが増える生活スタイルが需要を押し上げたようだ。

ゴミに埋もれる部屋

テレビのワイドショーで取り上げられるような、屋敷の外までゴミや収集物が散らばったゴミ屋敷とまでは至らないものの、
部屋の中はゴミだらけというゴミ部屋が水面下で増えていたのだ。

■ ゴミに埋もれ「体育座り」で清掃員を待っていた20代女性

確かに清掃依頼が増加していると語るのは、首都圏を対象に特殊清掃や遺品整理・残置物処理などの業務を行うA社に勤務する高橋実さん
(30代男性・仮名)。具体的な事例を聞いた。

記憶に強く残っているのは激務とされる職業の公務員20代女性からの依頼だという。

「1DKの部屋は膝の高さぐらいまでゴミが積まれ、部屋の隅にかろうじて人ひとりが座れるほどのスペースがあり、
そこで体育座りをして我々を待っていた姿が印象的でしたね。

部屋には半分残された食べかけのカツ丼、飲みかけのペットボトルなど食事をしてそのままのゴミが多く、
ベッドの隅には腐ったぶどうが隠れていました。浴室のバスタブはゴミ袋で埋まっていて、かろうじてシャワーが使えるといった状況でした。
部屋に入ってきたものを何も捨てていない、そんな印象を受けましたね」(高橋さん・以下同)

街中で見かければ、とても汚部屋の住人とは思えないような、小綺麗で可愛らしい女性だったという。
これ以上はもう“普通を装うにも支障がでる”との判断から依頼してきたのだろう。

この日の作業代は、キッチン、風呂、トイレのクリーニングも込みで20万円ほど。
丸1日がかりの作業で、2トン車1台と、1トン車1台分のゴミが出たという。

「部屋がきれいになってすっきりしたのか、女性の表情も明るくなって、
『スペースもできたので、テーブルやチェストを買って、これからはきれいな部屋を楽しみます!』と言ってくださってとても嬉しかったです」
https://news.yahoo.co.jp/articles/cbcb710529aaae6406ff85969a84e5fec533dd2d