川端「その点も『ガーディアン』でもドイツのメディアでも言ってきましたが、伝わったかな……。スポーツと政治は、過去の歴史的経緯もありますからね。あと、向こうの人のアクションとか見ていると、イスラム教それ自体への嫌悪、彼らの日常から繋がるヘイトと結び付いているような部分も見え隠れするから、余計に難しいなと思った」

浅野「国際世論として人権侵害に厳しい目が向けられるのはポジティブでもあるけどね」

川端「それはもちろん。人権侵害は悪ですよ。アジアの現状が良いとも1ミリも思わない。ただ、4年前にやりたい放題していたロシアのプーチンに対しては何も言わなかった人たちが血気盛んにやっているのを見ると、大国相手には言えないけど、カタールみたいな小国には言いたい放題なようにも見えちゃうから、やっぱり違和感がぬぐえない。W杯や五輪の開催資格について『人権を尊重する民主主義国である』ということを持ち込むことはありかもしれない。開催地を決める時に立候補資格としてそういった条項を作って運用するならわかる。でも前回の開催地がロシアだったことからもわかるように、大きな国相手にはそれをできないわけじゃないですか。次の五輪は中国が開催地です。彼らはビッグスポンサーとセットですし、それを忌避することはできない。でもカタールは小国だから言いやすいし、やりやすい、だからやっちゃいます。そこには違和感がある」

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