https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20221024/7000051795.html

北大の研究グループ“虫歯菌が血管に入るとがんの転移促す”

虫歯を引き起こす菌「ミュータンス菌」ががんの転移を促すという新たな研究を北海道大学の研究グループが発表し、がんの患者にとって、歯磨きと定期的な歯科の受診は転移を防ぐ上でも重要だと指摘しています。

北海道大学の樋田京子教授たちの研究グループは、虫歯を引き起こす菌「ミュータンス菌」が血管の中に入ったときの影響を調べようと、マウスなどを使った実験を行いました。
その結果、▼試験管を使った実験では、菌が血管内に入り込むと血管の炎症を引き起こし、血液の中にがん細胞があった場合は血管の内側に付着しやすくなることがわかったほか、▼マウスを使った実験では、肺の血管に菌が入った場合、血管に炎症が起きてがん細胞が血管の外に出やすくなり、がんが肺に転移することもわかりました。
研究グループでは、歯周病が広がっていたり、虫歯が進行したりしていると、炎症が原因で「ミュータンス菌」が血管の中に入りやすくなると指摘していて、がんの患者にとって歯磨きと定期的な歯科の受診などで口の中を清潔に保つことは、がんの転移を抑えることにもつながると指摘しています。
樋田教授は「地道なブラッシングが一番効果的で、定期的に歯科を受診してプロのケアを受けることも重要だ」と話しています。