昭和十八年七月

大日本婦人会綱領

一、私共は日本婦人であります。神を敬ひ、詔を畏み、皇国の御為に御奉公致しませう。
一、私共は日本婦人であります。誠を尽くし、勤労を楽しみ、世の為人の為に努力致しませう。
一、私共は日本婦人であります。身を修め、家を斉へ、日本婦道の光輝を発場致しませう。

(イ)国内も戦場なり婦人も総力戦士なり然れば今ひつつある皇軍勇士各々が其の任務達成に最高最大の御奉公に努力しつつある心を心とすること
(ロ)戦時下何時何処に空襲を受くるとも限らず常に非常に対する心構を為かしるむこと
(ハ)聖戦目的の説議を徹底せしむると共に大東亜共栄国の指導者たるの教養を修練せしむること
(ニ)@友情誼溢るる国内戦場化の為め婦人の美徳たる温情味を愈々昂揚せしむること
(ホ)戦意に燃えつつ温雅清楚にして賃実剛健なる風尚を振興せしむること
(二)必勝生活
(イ)欠乏を克服する必勝生活の根本精神を振起せしむること
(ロ)生活を簡素化し合理化し協同化して得たる節約により生じたる物資と時間と努力と貯蓄とを戦力増強に貢献せしむること
(ハ)冠婚葬祭を簡素化せしむること
(ニ)生活に関する実践的講習を普及せしむること
(ホ)貯蓄を増殖せしむること
(ヘ)住民特に乳幼児及妊産婦に保護を加へしむること
(ト)結婚奨励、海外花嫁斡旋に努力せしむること
(三)生産増強
(イ)婦人の勤労精神を昂揚せしむること
(ロ)日婦勤労報国隊の組織を各地の実情に合致せしめ且つ之れが活動し促進せしむること
(ハ)保育所(託児所)共同炊事其他隣保相互援助の組織及諸施設を促、婦人の活動に容易ならしむること
(ニ)海運、産業戦士@拓士を慰問せしむること
(四)軍事援護
(イ)軍人同家族遺族に対し援護並に慰問感謝せしむること
(ロ)傷痍軍人に花嫁を斡旋せしむること
婦人総蹶起申合(昭和十八年六月十八日緊急全国支部長会議に於て決定)
必勝の信念の下左の三ケ条を実行し、以て大東戦争の決戦段階における政府の要請にお応へいたしませう
一、誓つて飛行機と船に立派な戦士を捧けませう
二、一人残らず決戦生産の完遂に参加協力いたしませう
三、長袖を断ち、決戦生活の実践に蹶起いたしませう

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