大阪市中央区の問屋街にある日本語学校で今年の夏、異変が起きた。ネパール人の留学生が急増したのだ。

 資格取得・通信教育大手のヒューマンアカデミー(東京)が運営する日本語学校。コロナ禍前の2020年1月には1541人の外国人が在籍しており、
最多は中国人の585人。ベトナム人が434人、韓国人が170人と続き、ネパール人は44人だった。

 それが今年7月になると、ネパールからの留学生が310人に急増。367人の中国人に次ぐ2番目に躍り出た。一方で、近年増え続けていた
ベトナムからの留学生は118人に激減し、国籍別では5番目になった。

 「ネパールとベトナムの逆転はおそらく初めてです」。同校の担当者はそう言って驚く。

 9月上旬、4月に入学した20人のクラスを訪ねた。「どなたがネパール人ですか」。そう呼びかけると、男女10人が次々と手を上げた。

 ギシン・カンチャラムさん(23)は「日本語学校を卒業したら、専門学校に進んで、自動車整備の勉強をしたい。就労できる在留資格をとって、
15年ぐらい日本に住みたい」と話した。ライ・サミカシャさん(20)も「大学に進んで介護を勉強し、10年ほど日本で働きたい」。
みな口々に、日本で働きながら暮らしたいという夢を口にした。

 日本が新型コロナの水際対策を緩和し、外国人留学生の受け入れを本格再開したのは今年3月。出入国在留管理庁によると、
それから半年で、「留学」の在留資格で入国した外国人は12万人を超えた。

 目立っているのがネパール人だ。

 6月末現在で日本に在留している留学生を国籍別でみると、最多は中国で11万2243人。続いてベトナム4万4358人、ネパール3万2336人の順だった。
ベトナムとネパールの差は、21年末時点の約3万人から約1万2000人に縮まった。日本語学校関係者の間では、来年にかけてネパールが
ベトナムに肉薄する、との見方が広がっている。

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