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若貴兄弟は入門前からとにかく強かった
 1988年3月、私が入門して5年経った頃に若貴兄弟が藤島部屋に入門してきた。

 その3カ月ほど前、一足先に勝と光司が稽古場に降りて来て序の口の力士と相撲を取ったのだが、入門前だったにもかかわらず序の口の力士を一蹴した。続いて序二段、三段目も歯が立たず、ついには私の同級生である悟道力(ごどうりき)までも羽目板まで叩きつけられたのだった。

光司は15歳で握力95キロ。2人とも入門前からとにかく強かったので三段目ぐらいでは歯が立たないのは当たり前だ。私はその頃、幕下上位だったのでさすがに対戦することはなかったが、おそらく負けてはいないと思う。若貴の怪我のリスクも考えて、親方が対戦を避けたのだろう。