出生数80万人割れの衝撃。地方の少子化対策はここがズレている
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ーー少子化対策のメインとして、地元に残った女性が結婚や出産をあてにされるというのはプレッシャーになりそうです。

自治体が子育てや妊活、不妊治療の支援を充実させるばかりでは、「女性は結婚して産むことが当たり前」だというメッセージしか伝わりません。ダイバーシティに関する教育が進む中で、一律の価値観や一定の家族の形を提示されると、それが合わない人はおろか、合う人であっても閉塞感を感じて転出していくでしょう。

ただ、人の流れが起こること自体はポジティブなことで、結果的に少子化対策に資する面もあると思っています。

多様な価値観の人たちが混在することによって、マッチングは自然に起こるものです。今まで出会えなかったような人と出会う機会があることも大切なのです。東京がまさにそうで、さまざまな人が出たり入ったりすることで多様な出会いが生まれています。

結果的に、コロナ前の四半世紀では婚姻数が増え、出生数の減少率も100%を超えて東京都は多子化していました。多様な価値観をもつ人々に人気のあるまちをつくっていく必要があるんです。