EU、国家補助金ルール見直しへ 米インフレ抑制法に適応

[ブリュッセル 4日 ロイター] - 欧州委員会のフォンデアライエン委員長は4日、米インフレ抑制法(IRA)に盛り込まれた補助金措置で域内から投資が流出するのを防ぐため、国家補助金に関するルールを新たなグローバル環境に適応させる考えを示した。ベルギーで行った講演で述べた。

EUはIRAに盛り込まれた税控除が自動車やグリーン技術などを手掛けるEU企業に不利になると懸念しており、5日に開く米・EU貿易技術評議会でも議題に取り上げる。

フォンデアライエン氏は、IRAや他の措置によって歪みが生じた部分でEUは公平な競争条件を取り戻す必要があるとしつつ、貿易戦争は双方の利益にならないとも指摘した。

競争相手の新たな積極的産業政策には構造的な対応が必要とし、「EUレベルで(研究、技術革新、戦略的プロジェクトへの)新規・追加の資金拠出を行う一方、水素や半導体、量子コンピューター、人工知能、バイオテクノロジーなどでより高度な政策調整が必要だ」と述べた。

同時に、中国に対抗するため米国との協調が重要とし、米EUの電気自動車(EV)充電規格統一などが可能なほか、クリーン技術に必要な希少資源について欧米が「重要資源クラブ」を設立することで中国の独占に代わる枠組みを構築できると述べた。

https://jp.reuters.com/article/usa-trade-eu-idJPKBN2SO0JH