ルールを守ることに強いこだわりを示す子どもがいます。ルールを守らない相手のことを必要以上に責めて,その場の雰囲気を凍らせてしまいます。また,偶発的にルールの枠を越えてしまった相手に対してすら,厳しく指摘することがあります。

画像,ルールを守ることにこだわりを示す子

ルールを大切にすることは,安全で安心な集団生活の基本となります。また,スポーツなどを楽しく行うためにも必要なことです。しかし,そのルールに厳密になりすぎると,本来の活動そのものに制約が生まれ,楽しさが失われて窮屈になってしまうことがあります。

ASD(自閉スペクトラム症)の特性の一つに,決まりを守ることに過度なこだわりを示すというものがあります。そのこだわりについて,本人は「ごくごく当たり前のこと」だと思っていて,プラスな面を強調していえば「正義感が強い」,マイナス面を強調した言い方をすれば「融通が利かない」「原理・原則論にとらわれてしまう」となります。

また,「自分こそが正しい」という気持ちでいることも多く,自分に厳しいだけでなく,相手に対しても同じレベルを求めてしまい,なかなか柔軟に対応できないところがあります。