『いま明かす戦後秘史 下』(サンケイ出版)
http://ci.nii.ac.jp/ncid/BN0227998X

(鹿内)
ろくな戦争もしないうちに、最後はみんな餓死してしまったんですが、緒戦は本間正晴中将を中心として、上陸したときは大変な勢いでした。
本間軍団の経理部のいちばん偉い人は、私どもの経理学校の上官だった人ですが、名前はここで申し上げないほうがいいとおもう。
上陸作戦がすんでから、その人が陸軍省に報告に来られた。経理担当の最高の師団将校ですから。
で、その人の報告は、要するに「すばらしい」というんです。何がすばらしいのかといったら、マニラ大学の女の学生は全部セレベス島とか、が集まっていた。
ところが、日本軍がマニラに上陸したら、島に帰れなくなっちゃった。寄宿舎にいるやつが、みんな孤立しちゃったわけだ。それを日本の将校がいただくわけだ。
それが、いかにすばらしいかという報告で終始一貫おわっちゃったわけね。その戦況報告のはなしが …。

(桜田)
うーん。

(鹿内)
ぼくは、そのとき、非常に衝撃を受けたけれども、しかし話としちゃ面白いよね。戦争中の話ですから。
その女子大生が日本の将校のえじきになったという報告があったのが、ぼくには非常に刺激的な印象としていまも残っています。
しかし、この人は中将になって、最後は満州で戦死してます。

http://i.imgur.com/ziSgc5A.jpg