https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-63712582

2025年までに移民150万人受け入れ、カナダの目指す道とは

高齢化するベビーブーマー(1950年代~1964年ごろ生まれ)世代が労働市場から離れていく中、カナダはその穴を移民で埋めようとしている。しかし、誰もがこの計画に乗り気なわけではない。

カナダ政府は11月初め、2025年まで年間50万人の移民を受け入れる野心的な計画を発表した。向こう3年で150万人が移住する計算だ。

これにより、カナダは毎年、人口当たりでイギリスの約8倍、隣国アメリカの4倍もの永住者を受け入れることになる。

しかし最近の世論調査では、これほど多くの移住者を迎えることへの不安もあらわになっている
カナダは大きく出ている
カナダは長年、人口と経済拡大のため、永住者(国籍は取得しないが永住権を持つ移民)の獲得に力を入れてきた。昨年には史上最多となる40万5000人を受け入れている。

この政策はある意味、単純な算数に基づくものだ。多くの西側諸国と同様、カナダも少子高齢化問題を抱えている。こうした国家が縮小ではなく成長を求める場合、移民を受け入れなくてはならない。

政府の発表によると、移民はすでに同国の全ての労働分野で人数拡大に貢献している。2032年までには人口増にも寄与することになるという。

今月発表された年間50万人という数字は、2021年に迎え入れた移民数より25%多い。

世界でも特異な場所
現在のカナダでは、国民の4人に1人が移民としてこの国にやってきた。これは主要7カ国(G7)の中で、最も高い割合だ。一方、人種のるつぼとも言われるアメリカでは、外国で生まれて移民した人の割合は14%、イギリスも約14%となっている