「どうしても好きな人の子がほしかったんですよね」

そう言うのはハルカさん(37歳)だ。
2年前に仕事関係で出会ったのが、3歳年上のテツオさん。

「私の家庭生活は壊さずに、心から好きになったテツオの子がほしいと思ったんです
育てるのは私と夫だけど、いつでも会えるようにするからと言って、ふたりで妊娠しやすい日を選びました」

挑戦すること3カ月目、ハルカさんはテツオさんと体を重ねた数時間後に「受精した」と確信したそうだ。
「思い込みかもしれないけど、『あ、今だ』とわかった」と彼女は言う。
その夜はもちろん、夫ともしなければいけなかった。その後、無事に妊娠を確認。

「実は夫も泣いたんですよ、娘が産まれたときに。こんなに愛されて産まれてきてよかったと思いました」

テツオさんの遺伝子を半分受け継いだ命がこの世に産まれてきたことがうれしいし、
その子を夫と一緒に育てられるのもうれしいと彼女は淡々と口にした。

「世間では『托卵』っていうんですか。なんだかピンとこない……。
もちろん、夫に嘘をついているのは申し訳ないと思うけど、夫が娘を抱いていると、ああ、夫の子なんだなと思うことがあるんです。
いずれにしても私にとっては自分の命に替えてもいい存在。すべての責任は私がとるつもりです」

彼女を責めることができるのは夫だけかもしれない。
他人が善悪のジャッジをしていいとは思えない。

ただ、彼女の娘が愛されて産まれてきたことはまぎれもない事実だ。

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