「オナラの音」を聴くだけで病気を発見できるAIを開発!

オナラの音だけで健康チェックができるようになるかもしれません。

米ジョージア工科大学(GATech)の研究チームはこのほど、トイレ時の排便やオナラの音を聴くだけで、大腸がんかどうかAIが診断できる装置を開発したと発表しました。

大腸がんになると直腸や尿道に変異が起き、排便時の音に変化すると言われています。

今回の研究では、人々の様々な排便音をAIに学習させ、命に関わる病気を非侵襲的(体を傷つけず負担を与えない方法)に早期発見することに役立つと期待されています。

研究の論文はまだ査読前ですが、先月開催されたアメリカ物理学会の年次流体力学会議(75th Annual Meeting of the Division of Fluid Dynamics)にて発表されました。

”おトイレ”の音をAIに聴かせて学習させる

今回の発明は、研究者らが大腸がんの非侵襲的な診断方法を模索する中で生まれました。

大腸がんの主な症状として下痢がありますが、専門家いわく「大腸がんで直腸や尿道に異変が出ると、排泄時の音の通り方が微妙に変化する」という。

つまり排泄時の音によって、単にお腹を下しただけの下痢と、大腸がんのような命に関わる下痢を見分けられるかもしれないのです。

そこで研究チームは、健康な人と健康に異常がある人(大腸がんや下痢性疾患の患者)から”おトイレ”の音声サンプルを何時間分も集めてデータベースを構築し、それをAIに聴かせて訓練させました。

次にチームは、AIにトイレ時の排便、排尿、オナラを再現した合成音をランダムに聴かせます。

それぞれの合成音は健康な人の排便や下痢、あるいは大腸がん患者の下痢などのスペクトログラムを示しますが、テストの結果、AIはそれらの音を98%の精度で識別することに成功しました。

人の排泄に対する直接のテストはまだ行われていませんが、この結果を見る限り、人体でも十分に有効であるとチームは考えています。

さらに重要な点として、バックグラウンドのノイズがあっても、AIは排泄の種類を正確に特定できたようです。

一方で、このAIは現段階で男性のみを対象としており、女性の排泄にはまだ対応していません。

女性の排泄器官は男性と異なるため、AIには別途学習や訓練が必要となるようです。


参考文献
New AI Device Listens to Farts To Detect Cholera, Cancer, Other Deadly Diseases
https://www.sciencetimes.com/articles/41303/20221209/new-ai-device-listens-farts-detect-cholera-cancer-deadly-diseases.htm
Diarrhea detector could track cholera by listening to toilet users
https://newatlas.com/health-wellbeing/diarrhea-detector-toilet-cholera-tracking/
FARTS SAY MORE ABOUT YOUR HEALTH THAN YOU THINK ? NOW, SCIENTISTS ARE LISTENING
https://www.inverse.com/innovation/fart-monitoring-ai

https://nazology.net/archives/118944