「羆(ヒグマ)猟に使える紀州犬が欲しい」と望んでいたハンターの中川正裕が、紀州犬の名ブリーダーでもある猟仲間から熊五郎を譲り受けたのは1995年のこと。

 猟の世界では紀州犬といえば「一銃一狗」という言葉がある。その言葉通り、1人の狩猟者と1頭の犬が一体となることで、イノシシのような大型獣をも仕留めることができるとされている。とりわけ熊五郎の場合は、そのルーツは伝説的な紀州の名犬「鳴滝のイチ」の血筋に繋がる「狩猟エリート」である。

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