卵・鶏肉が最高値 需要増、鳥インフル影響

 最需要期を迎える鶏卵と鶏肉の卸売価格が、1993年以降で最高値を記録した。12月の平均価格は鶏卵が平年比3割、鶏肉(モモ)は同2割高。飼料高騰で生産量が抑制される中、業務需要の回復や、全国で多発する高病原性鳥インフルエンザの影響などが重なった。年内の卸売価格は高値で推移する見込みだが、増加する生産コストの負担が大きく、国内養鶏は苦しい状況にある。

 鶏卵の卸売価格は16日、建値となるJA全農たまごのM級基準値(東京)が前日から10円上げ、1キロ290円に到達。同社が93年から公表するデータによると、最高値となった。

 飼料高騰を受け、鶏卵の供給量が抑制傾向となる中、堅調な量販店向けに加え、外食や観光需要などが回復。卸売価格は秋以降平年を2割上回って推移していた。そこに、過去最多の発生状況となっている鳥インフルの影響が重なった。

 一方、店頭での不足感は出ておらず、野村哲郎農相は同日の会見で「卵が足りないということはなく、正月が明ければある程度(価格は)落ち着くのではないか」との見方を示した。

 輸入食肉の高騰を受け、需要が集中する鶏肉も異例の高値となっている。12月(13日時点、東京)の平均価格は、モモが記録のある92年以降最高値の1キロ770円、ムネも平年比3割高の同418円。「現状の不足感に加え、鳥インフルの多発による先行き不安の影響もある」(首都圏の鶏肉卸)という。

 農畜産業振興機構(alic)によると、直近10月末の国産鶏肉の推定在庫量は前年比3割減の約2・5万トンと、前年を大きく下回っている。
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