「地下シェルターほしい」相次ぐ問い合わせ 想定は「戦争」

ミサイル保有は抑止力になるのか。政府は16日、敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有を盛り込んだ安保関連3文書を閣議決定した。戦争を身近に感じ始めた市民も少なくないようだ。

「シェルターが欲しい」。愛知県豊橋市の土木建設会社には、そんな問い合わせが増えている。会社側が「どんな災害を想定していますか」と尋ねると、返ってくる言葉は「戦争」が多いという。

「戦争を身近に経験したご年配の世代からの問い合わせも増えています」

芳賀土建専務の芳賀数正さん(36)はこう語る。ミサイル攻撃や地震などから身を守る住宅用の「地下シェルター」の開発を今年2月から始めている。

シェルターは鉄骨造りで幅と奥行きが6・3メートル×2・2メートル、高さ3メートル。周囲をコンクリートで覆う。核シェルターが普及しているというイスラエルの換気システムも採り入れている。

シェルターを連結させれば、広い地下空間にもなる。2023年春をめどに、建設上の必要な手続きを終え、自社の事務所や長野県の住宅など3軒で施工する予定だ。費用は「1500万円~」と想定するが市民に手の届きやすい価格帯をめざすという。

https://www.asahi.com/articles/ASQDJ5J00QDJOIPE00V.html

芳賀土建の敷地内に埋められている輸入された米国の地下シェルター。同社はこれとは別にオリジナルのシェルターを開発中だという=2022年12月13日午前10時27分、愛知県豊橋市天伯町、斉藤佑介撮影
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芳賀土建のシェルターはユニットを連結させると、広大な地下スペースになる=芳賀土建提供
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住宅の下に埋設できるよう開発中のシェルターのイメージ図=芳賀土建提供
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地下シェルターを上り下りするハシゴ。高齢者の移動など改善すべき点があるという
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米国式の地下シェルターの入り口。高齢者がハシゴで降りるのが大変なため、芳賀土建が近く建設するシェルターはらせん階段式にする予定だという
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