性差別的?やりたいならOK? 女子マネのあるべき形は
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スポーツにおける多様な性を問いかけた東京五輪。子どもたちが日々打ちこむ学校の部活動でも、変化の波は起きています。誰もが望むようにスポーツをできる日は近いのでしょうか。

「女子マネ」からスポーツを支える「スタッフ」に 関めぐみさん(社会学者)
学校の部活動における「女子マネ」、つまり主に男子の選手をサポートする女子のマネジャーは、日本で議論の対象になってきました。

まるで長い伝統があるかのように語られることも多いですが、そもそも男女共学が一般的でなかった戦前は、「女子マネ」は存在しませんでした。女子が男子の運動部に参入するようになったのは、1960年代からです。高度経済成長期に大学受験競争が激しくなり、高校の部活から男子部員が減ったのが背景だと言われています。女子が担うようになり、それまでコーチのように管理を行う指導者だった「マネジャー」の役割そのものが変質していきます。

男子選手のために洗濯や掃除をする。おにぎりをつくったり、飲み物を準備したりする――。こうした「男子を支える」役割に徹する「女子マネ」に、性別役割分業の意識が介在してきたことは否定できません。それが学校教育のなかで固定化して再生産される、つまり生徒たちがその存在から「女子は男子を支えるのが当然」と学習するようなことはあってはなりません。

一方で、マネジャーとして活動したいと考える生徒が存在し続けているのも事実です。「SLAM DUNK」など、漫画やアニメにはとても魅力的な「女子マネ」が登場します。もちろん、選手としては活動しづらいけれど、好きなスポーツになんとかして関わりたいと考える生徒も多いと思います。