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銀行口座に残っているお金は、わずか3540円…。年収700万のはずの夫に何が起こったのか?

「口座から電気料金の引き落としができませんでした」のハガキ。

そして、家族の通帳の残高が「¥3,540」。2人の子どものために貯めておいた口座は「残高:¥963」「残高:¥1,450」。

夫は年収700万ほどはある。これまで、こんな金額になったことはない。いったい何、これ……

夕方、パートから帰宅したあかね(仮名・34歳)は、いつもどおりポストから郵便物を取り自宅に入った。自宅には誰もいない様子だったが、ただいま〜とつぶやきながらキッチンに向かう。

小学4年生の長男は塾へ行っている時間で、2年生の次男はおそらくいつもの公園で友達と遊んでいるのだろう。

パート先のスーパーで購入してきた夕飯の材料と、ポストの中身をいったんテーブルに置く。この日は郵便物や配布物が多く、ダイレクトメールやチラシ、町内のお知らせや地元の新聞などたっぷりとあった。

食料品を片づけてひと段落ついたところで、ふと1枚の郵便物に目がとまった。

ハガキサイズの郵便は電力会社からだった。「あ〜。また値上げのお知らせかなぁ」と、少し憂鬱な気持ちでハガキの中身を見る。

そこに書いてあったのは、「口座から電気料金の引き落としができませんでした」という文字だった。

「え? どういうこと?」

ひとりごとと思えないくらいの声が出る。

記載されている電気料金は約1万円。夫は管理用にいくつかの口座を持っているはずだが、いくらなんでも、たった1万円の残高がないということがあるだろうか?

あかねの夫、裕太(仮名・36歳)はIT系の企業に勤めており年収は約700万ほどある。裕太はとても亭主関白な性格で、家計の管理をあかねに任せていない。あかねは毎月、家計に必要なお金だけを受け取っており、残りの金額を裕太がどのように使っているか知らされていなかった。

しかしこれまで、このような知らせを受け取ったことは無かったし、金銭的に余裕がない素振りを見せられたことも無い。

「ただいま〜」という声とともに、次男がキッチンを覗きにきたのでとっさにハガキを隠す。

夫が帰ってきたら確認してみよう……。そう思い、あかねは夕飯作りを始めた。

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夫の裕太は毎日帰宅が遅く、この日も22時すぎにやっと帰ってきた。

あかねが「おつかれさまです」と迎えると、やや不機嫌そうな面持ちで「うん」とだけ返答する。


「夕飯は食べる?」

「うーん。今日はいい。風呂入って寝る」


亭主関白なうえにあまり愛想もない裕太は、そっけない返答をすることが多い。

あかねと裕太は友人の紹介で知り合い恋愛結婚をしたのだが、結婚当初からあまり夫婦の会話は多いほうではなかった。

あかねは、裕太が自分にまったく興味がないのではないか?と常々思っていた。子どもが生まれてから、夜の夫婦生活も年に数回というレベルだ。


「ごめん、ちょっと待って。あのね、今日これが届いたんだけど……」と、電気会社からのハガキを裕太に差し出す。書かれている内容を見た裕太は、驚いた表情をした。

「あー。引き落としの口座に移すの忘れてたわ」


明日やっとくから、と言って、ろくに目もあわせずに風呂場へ行ってしまう。あきらかに様子がおかしかった。


夫から知らされた衝撃の事実、そして危機に陥った家族は?次回に続きます。