以下の写真は、クサリヘビ科のメスに存在しているヘミクリトリスの写真です。フォルウェル氏は研究の結果、クサリヘビ科、コブラ科、ニシキヘビ科、ナミヘビ科のメスにヘミクリトリスが存在することが確認されました。
https://i.imgur.com/MNyFtEp.jpg フォルウェル氏は、「ヘビのヘミクリトリスの発見について共有できることに非常に興奮しています!また、多くの人々が私たちと同じように興奮しているのを見て、非常にうれしく思います!」と述べています。また、フォルウェル氏は今後、ヘミクリトリスの進化の歴史や、交尾行動にどのように使われるのかなどを引き続き調査する予定とのことです。
上記のように、ヘビのメスにおけるヘミクリトリスの研究はこれまで行われてきませんでした。Live Scienceによると、この「メスに関する解剖学的知見の欠如」はヘビだけでなくヒトを含む生物全般に現れる傾向とのこと。例えば、1970年~2021年の間に学術誌「Nature」に掲載された「オスの精子競争に関する論文」は「メスの配偶者選択に関する論文」の7倍以上に及ぶことが報告されています。また、1989年~2013年の間に学術誌「PLOS Biology」に掲載された動物の生殖器に関する論文のうちオスのみに焦点を当てた研究は約50%だったのに対し、メスのみに焦点を当てた研究は約10%しか存在しなかったことも明らかになっています。
ストックホルム大学で進化生物学について研究するマリン・アーキンズ氏は、「もし進化生物学に関する研究がオスに対してしか行われなかったら、その研究結果は非常に偏ったものになります」と述べ、メスに関する科学的知見が足りない現状が科学的に誤った考え方を広めるリスクを指摘しています。