名古屋刑務所(愛知県みよし市)で刑務官22人が受刑者3人に暴行などを繰り返していた問題で、刑務官による不適切な処遇は400件以上に上り、うち暴力を伴う行為が100件を超えることが法務省への取材でわかった。一部の刑務官は暴行が常態化していたとみられ、同省は調査を進めた上で、関係者の処分などを検討する。
 同省によると、22人は昨年11月上旬~今年8月下旬、40~60代の男性受刑者3人に、計400件超の不適切な処遇をしていた。うち100件超は暴行で、胸ぐらをつかんだり、顔にアルコールスプレーを噴射したり、顔や手をたたいたりするなどの行為をしていた。暴行以外では、暴言を吐いたり、部屋に物を投げ入れたりするなどの行為が確認された。
 複数の刑務官は、受刑者への暴行が10回以上に及んでいた。問題発覚の契機となり、男性受刑者の左まぶた付近にけがを負わせた刑務官も、暴行を繰り返していたという。
 同省は全国の刑事施設で同様の事案がないか調査を進めており、有識者による検討会を近く設置して実態解明と再発防止を図る。

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