―17歳の時に改名をすることを決めたとのことですが、何かきっかけがあったのでしょうか。
赤池 ネットで15歳でも親の同意なしで改名できるということを知って。それに改名にかかる費用は3000円ほどだったのでこれなら自分のお小遣いでなんとかなるなと。
それで1人で隣の市の家庭裁判所まで行って、名の変更許可申立書と戸籍謄本の写しなどを提出して。必要な費用は収入印紙800円分と、連絡用の郵便切手代だけなのでなんとかなりました。職員の方には「この理由であればおそらく通ると思いますよ」と言われましたが、審査結果が届くまでの数ヶ月はドキドキでしたね。通らなかったらどうしようって。

―改名することは誰かに相談したのでしょうか。
赤池 友達数人と学校の先生には伝えました。みんな特に驚くこともなく、「へぇ、そうなんだ」くらいで。

―先ほどもおっしゃっていたように、やはり改名を決意した理由は「将来のため」ですか。
赤池 それもありますし、あとは名前がいわゆるキラキラネームだと「ちゃんと教育を受けていなそう」っていう偏見を持たれやすいんです。ネットでもキラキラネーム=親がバカだとか、頭が悪いとか、教育をきちんとしてなそうっていう偏見を持つ人が結構いて。
僕の場合は、母親が積極的に塾に通わせてくれていたので、どちらかというと教育の機会には恵まれていましたし、勉強もそこそこできる方ではあったんですけど、知らない人からすればそんなのわからないですし。
初対面だと内面がわからないから、名前や外見などで判断されてしまうじゃないですか。それって若いうちはいいかもしれないけど、将来絶対に困る日が来るだろうなって。

あとは50代、60代になった時にこの名前のままだと、名乗りづらいよなとも思って。「王子」だけだったらまだ良かったのかもしれないですけど、「様」という敬称がついているので、「王子様」様とダブってしまうこともありますし。そういうのがいろいろ積もり積もって改名を決めました。

赤池肇さん 撮影時期は2020年3月 c読売新聞社(文春オンライン)
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