<ウクライナ国防省は12月27日、破壊されたロシア戦車の動画を公開。加えて開戦以来、ロシアは3016台の戦車を失ったと伝えた>

ウクライナ国防省は12月27日、大破するロシア戦車の動画をツイッター上に投稿。動画は、煙を上げて燃えている戦車の遠景から始まる。その後、接写に切り替わると、激しく損傷した戦車が燃えている様子が映し出された。後半では、森林地帯を歩く数人の兵士が、何らかの攻撃を受けたように見える。陽気な音楽が流れており、兵士たちはロシア軍の一部のようだ。

ウクライナ国防省はツイートで「ロシアの戦車はすべて、ウクライナの兵士により破壊される運命にある」とコメントした。



ウクライナ国防省はまた、2月の開戦以降、ロシアが戦闘によって被った損失もツイッター上で公表。ロシアは12月27日までに、戦車3016台、人員10万3220人、装甲戦闘車両6024台などを失ったという。

このツイートには、「常に100%の力を出し切れば、最終的には何とかうまくいく。それが私の持論だ」とつづられている。これはアメリカの人気バスケットボール選手、ラリー・バードの言葉だ。

一方、英国防省は12月27日、ロシアの第1親衛戦車軍が「最近ベラルーシに配備されたロシア軍のなかに含まれている可能性がある。この編隊は、配備前に訓練を行っていたようだ。また、戦闘態勢に必要な支援部隊はいないと見られる」とツイートした。

この投稿には以下のような前置きがある。

「この48時間、戦闘は依然として、ドネツク州バフムト周辺と、ルガンスク州スバトベ近郊に集中している。ロシアは、これらの地域で小規模な攻撃を続けているが、領土はほとんど変化していない」

英国防省は12月8日、「精鋭とされる」第1親衛戦車軍が、「9月にハルキウ州から撤退したときを含めて、大きな犠牲を出している」と伝えていた。

「(第1親衛戦車軍は)現在、予備兵の動員によって部分的に補強しているが、2万5000人の定員を大きく下回る状況は変わっていない」

米国のシンクタンク、戦争研究所(Institute for the Study of War:ISW)は12月26日、最新の戦況レポートで、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシアのエリート層がウクライナ戦争を支持していないことに懸念を抱いているようだと報告している。

戦争研究所は、クリスマスにプーチンがロシア国民に向けて行った演説を引用。この演説のなかでプーチンは、一部の国民が「真の愛国者」として行動していないことを批判している。ISWは、「一部の国民に対する差し迫ったこの批判は、プーチンが、戦争を全面的に支持している人ではなく、むしろ支持していない人に焦点を合わせていることを示唆している」と言った。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/12/post-100472.php