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対面授業なじめず「大学に行けなくなった」 学生から相次ぐ相談、その理由は

京都と滋賀の大学で、オンライン形式から戻った対面での授業に「なじめない」との学生からの相談が相次いでいることが、京滋地区私立大学教職員組合連合のアンケートで分かった。新型コロナウイルス禍で友人関係を築けないまま人前に出ることをためらったり、オンライン授業に慣れてしまったりするケースが多いためではないかという。

 同組合は7〜8月、京都・滋賀の全32私大・短期大を対象としてコロナ禍の大学生活への影響を調べるアンケートを実施し、依頼に応じた9大学からの回答を分析した。

 集計結果をみると、心のケアに関する相談件数が大きく増加しており、うち7大学(2大学は件数非公表)では2021年度は前年度の5144件より5割以上多い8872件に上った。

 具体的な相談事例では、「大学生の実感が持てない」「新しい友人をつくることが難しい」などオンライン授業の影響とみられる悩みがある一方、多くの大学で再開されている対面授業に関しても、「人前で発言や発表する機会があるので大学に行けなくなった」「オンライン授業の方がいい」といった声が多く寄せられていた。

 経済的理由などで21年度中に退学した学生は9大学で172人、休学は632人で、依然として高い水準だという。

 執行委員長の村岡倫・龍谷大学教授は「友人づくりができず孤立を深める中で、対面授業への切り替えにうまく対応できない学生が少なからずいる。心理カウンセラーを充実させるため、行政を含めた支援が不可欠だ」と話している。