弓道の増渕敦人選手は、かつて9割を超える的中率を誇り、29歳で天皇杯を史上最年少優勝。
40~60代が最も充実すると言われる弓道の常識を覆した。
しかし翌年、矢を全て的中させたにもかかわらず、予選敗退。
理由は「単なる的当てで弓道ではない」というものだった。
弓道の本分は、極限の緊張の中で心や体の乱れに打ち克つ精神性にある。
増渕選手は、的中率は高くても入場から退場までの所作で大きく減点されたのだ。