昨年の参院選ミス、過去最多の200件超…事務局人材難で増加の一途

 昨年7月の参院選で、自治体の選挙事務に関するミスや問題行為は2019年前回選の200件を上回り、参院選では過去最多となる見通しであることが読売新聞の調べでわかった。自治体の選挙管理委員会事務局の人材難が背景にあり、4月に統一地方選を控える中、対策が急務となっている。

 参院選の投開票は、市区町村選管が事務を担い、ミスなどは都道府県選管を通じて総務省に報告される。読売新聞が昨年12月、都道府県選管に聞き取りを実施したところ、ミスなどは218件あった。記録が残る1995年以降の参院選で最多となるのは確実だ。同省がミスの件数を最終調整しており、近く発表する。

 都道府県別では、投票用紙の交付漏れや二重交付があった大阪が最多の14件。兵庫(12件)、北海道、青森、東京、新潟(各9件)が続いた。群馬、奈良、島根、長崎はゼロだった。大半をミスが占め、問題行為は少数だった。

 全国的には、無効票につながる誤交付が目立った。

 宇都宮市では、選挙区に投票する有権者260人に比例選の用紙を交付するミスがあった。新潟県佐渡市では選挙区と比例選の投票用紙を取り違えて48人に交付し、徳島県板野町でも37人に同様のミスがあった。いずれも確認が不十分だった。和歌山県田辺市の男性が、母親の投票用紙を投票所の外に持ち出し、燃やす問題行為もあった。

 国政選挙や統一選でのミスなどは増加傾向が続く。96年衆院選は29件だったが、2021年は約10倍の296件に急増。19年統一選は181件で、1995年に比べ約10倍となっている。行財政改革による自治体職員の減少で、選管職員が他部署と兼務になったり、短期の異動が常態化したりしたことで、選挙事務に精通した人材が育っていないことが要因とみられる。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/f117847eb738a0b5e51498e7bbbb0718309f2e7a