https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM07BPU0X01C22A1000000/

北朝鮮、電磁波攻撃の実験か 3日のICBM試射で

北朝鮮は7日、米韓空軍の共同訓練への対抗で実施した3日の弾道ミサイルの発射が「敵の作戦指揮体系をまひさせる特殊機能弾頭」の動作確認だったと明らかにした。電磁パルス(EMP)攻撃を想定した訓練だった可能性が指摘されている。

大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられていたミサイルの発射がそれにあたるとみられる。北朝鮮はICBMの一種である「火星15」に似た写真を公表した。高度約2000キロメートルまで上昇し、日本海に落下した。韓国軍は新型ICBM「火星17」の試射失敗と分析していた。

EMPは高い高度で核爆発を起こして強力な電磁波を発生させ、地上にある電子機器を破壊する兵器を指す。地上の軍事施設や交通、発電インフラなどを一斉にまひさせることができる可能性がある。

韓国軍合同参謀本部は7日、北朝鮮が2日に発射した短距離弾道ミサイルの残骸と推定される物体を回収したと明らかにした。関係機関が分析し北朝鮮の軍事技術の解明に役立てる。

回収した残骸は弾道ミサイル1発分で、北朝鮮が2日に発射し海上の南北境界と位置づける北方限界線(NLL)の南側に落下した弾とみられる。韓国海軍の救難艦が4〜6日に無人水中探査機を使って捜索し、引き揚げたという。

韓国の権寧世(クォン・ヨンセ)統一相は7日、北朝鮮の7回目の核実験について「いつでもできる状況だが、差し迫った時の具体的な兆候はない」と話した。韓国の情報機関は10月の中国共産党大会と11月の米中間選挙の間に踏み切る可能性があると説明していた。