ほんのついこの前までは、日本の周辺国から、日本に向けて出稼ぎの人々がやってきて、治安や過剰労働が問題になっていたが、円安が急速に進んだこともあり、今や日本人の若者が外国に出稼ぎに出かける時代になった(注2)。ますます、戦後期の状況に近づいている。

バブルの時代を知っている世代には、まさかこのような時代が来ようとは想像すらしていなかったのではないだろうか。一方、今の若者は、生まれた時から、ずっと景気低迷が続いており、むしろ好景気とは一体どのようなことなのか、理解することもできない、という人々が大部分である。

最近、三食が十分に食べられない子どもが増えているというニュースが報じられていたが、その子どもが減るどころか逆に、三食まともに食べられない大人が拡大している(注3)。日本の1人あたり労働生産性は、今では、旧東欧並みにまで落ちてしまった(注4)。1人あたり購買力平価GDPも韓国に抜かれてしまった(注5)。

https://www.rieti.go.jp/jp/columns/s23_0007.html