レハンドロ・ヌニェス・ビセンテ氏は2段式の航空機の座席が低予算の空の旅に革命を起こすと考えている
シェーズロング(長椅子型)機内シートのコンセプトは、21歳大学生のプロジェクトとして20年に始まった
上のシートを利用するには昇降用のはしごのようなステップ2段を上がる
プロトタイプのシートは動かないが、リクライニングしたときの異なる位置を示すように設置された
足回りの空間の少なさがこの座席のデザインのきっかけとなった。同じレベルに座席を配置しないことで、足を伸ばすことも可能に

ハンブルク(CNN) たいていの場合、エコノミーシートでの長時間のフライトは楽しむものというよりは耐えるものだ。だが、とある機内シートのデザイナーは、自分のデザインで低予算のフライトに改革を起こすことができると考えている。

アレハンドロ・ヌニェス・ビセンテ氏のシェーズロング(長椅子型)機内シートのコンセプトは、21歳大学生のプロジェクトとして2021年こじんまりと始まった。その後まもなく航空業界のトップの賞の一つであるクリスタル・キャビン・アワード21年度にノミネートされ、CNN Travelの記事で紹介したところ、インターネットで注目の的となった。

以来、ヌニェス・ビセンテ氏の提案は航空業界で話題を呼んでいる。本腰を入れてプロジェクトに取り組むために修士課程を休学し、大手航空会社や座席メーカーと協議を重ねている。プロジェクト開発のためにいくらか潤沢な投資も手に入れた。

だがヌニェス・ビセンテ氏の画期的なアイデアに舌を巻く者がいる一方で、反発の声もある。閉所恐怖症への不安や、他人の尻の下に座るのは現行のエコノミークラスよりも悪いという考えもある。

「良いコメントや手放しの称賛よりも、批判や悪評に耳を傾けるほうがずっと成長できる」と、ヌニェス・ビセンテ氏は昨年6月に航空機内装の見本市「AIX」が開かれた独ハンブルクでCNN Travelに語った。AIXでは同氏のデザインが展示された。

ヌニェス・ビセンテ氏のデザインは、普段から飛行機で移動する人々を念頭に置いている。肯定的か否定的かを問わず、利用者となりうる人々の意見をぜひ聞きたいと本人も言う。

「私のデザインは人類のため、あるいは高額な航空チケットには手が届かない人のために、エコノミークラスの座席をより良いものに変えることを目指している」(ヌニェス・ビセンテ氏)

AIXでは初めて実物大のプロトタイプをお披露目した。
https://www.cnn.co.jp/storage/2023/01/03/9a4a2bd1ba6a3d4418038df94a8f5e9e/35198083_002.jpg
https://www.cnn.co.jp/travel/35198082.html