https://mainichi.jp/articles/20230105/k00/00m/040/195000c

スマートフォンなどに搭載されるリチウムイオン電池や、スプレー缶を処分する際の火災が相次いでいる。不適切な分別によりごみ収集車から出火するケースも多く、けがや大惨事につながる恐れもある。東京消防庁が適切な処理を呼び掛けている。

同庁によると、リチウムイオン電池が原因の火災は昨年1年間に125件(速報値)発生しており、そのうち22件は処分する際に自分で破壊、分解したことで出火した。

 また、スプレー缶による火災は101件で、そのうち25件は処分時にガスを抜こうとしたり、缶に穴を開けたりした際にコンロの炎などに引火した。

 一方、これらの不適切な処理や分別が原因で、ごみ収集作業中に出火することもあり、ごみ収集車やごみ処理施設から出火したケースも36件あった。

 リチウムイオン電池はモバイルバッテリーやスマホ、ノートパソコンなどに搭載され、強い衝撃を与えると急加熱し、発火する危険がある。また、スプレー缶は可燃性ガスが使用されている場合が多く、室内でガス抜きをすると噴出したガスがコンロやたばこの火に引火することがある。

 東京消防庁は「処分する際には自己判断せず、製品の取扱説明書や、自治体が指定するごみの分別方法をよく確認してほしい」と話している。【岩崎歩】