異常さ浮き彫り、60秒で1万3000回超-CPI発表前の米国債先物取引
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-05/RNZGWODWRGG001

過去25回のCPI発表直前の取引高と値動きをBEが比較検証した
ホワイトハウスはデータが事前に漏れたのではないかとの見方否定
昨年末の米消費者物価指数(CPI)公表直前に行われた米国債取引が、いかに常軌を逸していたかブルームバーグ・エコノミクス(BE)の分析であらためて浮き彫りになった。

  CPI発表前60秒間の10年国債先物の取引高と値動きを比較すると、昨年11月分が公表された12月13日は、過去24回のCPI発表直前よりいずれも3倍余り大きかった。BEの米経済リサーチ・ディレクター、デービッド・ウィルコックス氏がリポートで明らかにした。

  さらに12月13日の公表前の1分間は、過去24回の発表直前の15分間(合計360分間)で取引が最も活発な1分間だった。

  ウィルコックス氏は同日の検証結果について、「極めて異常な動きだ。違法な取引が行われたことを示すものではないが、その日に何が起きたか監督当局が詳しく調べる必要性を裏付けるものだ」と指摘した。

通常は薄商いの時間帯にもかかわらず、12月13日午前8時半の公表前1分間で、10年国債先物3月限は1万3000回余り取引され、米株先物も1%強上昇した。
11月CPIの前年同月比上昇率は予想を下回り、国債相場が値上がりする方向に賭ける取引を行った投資家は利益を得た。

ジャンピエール米大統領報道官はその当日、ホワイトハウスの誰かがデータを事前に漏らしたのではないかとの見方を否定し、「ささいな市場の動き」にすぎないと発言した。
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