シリーズ「名医のいる相談室」では、各分野の専門医が病気の予防法や対処法など健康に関する悩みをわかりやすく解説。

【画像】餅がのどに詰まったらこんな状態に…

今回は正月三が日に集中する「餅をのどに詰まらせてしまう事故」について、福井大学医学部付属病院救急救命科科長で総合診療部教授の林寛之先生に徹底解説してもらう。
餅がのどに詰まる原因

正月に多発する餅などを喉に詰まらせた時の対処法についてお話しします。

基本的には餅を詰まらせる事故というのはほとんどが高齢者ですから、加齢に伴う嚥下機能の低下というのが一番の原因になります。

理由は、実際噛もうと思っていても歯が少ないためちゃんと噛めない、唾液がちゃんと出ないので飲み込むのが下手になる、"ゴックン"と喉を持ち上げる力も弱くなる、そして、詰まりそうなときにする咳がすごく下手になる。

この4つの機序で餅が詰まったときにうまく出せなくなっています。

餅は喉の声帯の上に詰まっている場合はまだ良いのですが、その奥の気管に入ってしまうと鋳型のように中に詰まってしまいます。

分岐した片方に見える白いものが、餅がガッツリ詰まっているパターンです。黒い方は餅は見えていません、もっと奥に入っています。

我々医療者が吸引器で餅を引いても、吸引器に餅が詰まってしまいます。

餅を取り除いて何回も繰り返しやるんですが、実際に脳には酸素が十分に供給できなくなってしまうという非常に悲しい結果になります。

ですから声帯の上にある時に、なるべく餅を取れるようにしてほしいです。

この画像は、喉の声帯の下の気管に入ったところで、気管が右と左に分岐します。
4分間が勝負・・・窒息したら「頭を下に」

人間は窒息すると4分で脳がやられ始めてしまう。4分勝負なんです。

どんなに腕の良い医者に早くかかったとしても間に合わない。救急車を呼んでも間に合わないということが圧倒的に多いです。

ですから喉に餅を詰まらせた場合は、その場での対処がすごく大事になります。

ここで問題です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4d6f4fb5fffff17585acb118d9cbc13e883f84a9