野村証券札幌支店の元社員の女性(60)がくも膜下出血で休職中に業務を強いられたとして、同社を相手取り約1億4796万円の損害賠償を求めた訴訟の和解が札幌高裁で成立した。
昨年8月10日付で、和解金額は公表していない。原告の女性が12日、取材に明らかにした。

 訴状によると、女性は1999年に入社し、札幌支店で営業を担当。2015年3月、くも膜下出血で倒れて入院し、退院してからも欠勤し、同年7月から休職した。
複数の上司は同年5~9月ごろ、女性に顧客宅を訪問させて契約をさせたり、自宅で電話などによる金融商品の勧誘をするよう指示したりした。業務によって病状が悪化し、17年4月に退職したという。

 女性側は同社の安全配慮義務違反を主張。21年12月の一審・札幌地裁判決は「上司の指示によるものではなく、原告自ら(業務を)申し出た可能性が否定できない」などとして、女性側の請求を退けたが、女性側が控訴していた。

 和解条項には「会社は、女性が休職期間中にもかかわらず業務に従事することになったことについて、心より遺憾の意を表する」などと記載されたという。(平岡春人)

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