府警によると、13日午後1時18分ごろ、大阪市平野区の路上で、パトカーで巡回中だった八尾署員が盗難届が出されている乗用車を発見し追跡。いったん打ち切ったが、約1・6キロ離れた発砲現場近くでは追跡を再開していたという。

 乗用車に乗っていたのは運転の男1人。パトカーは追跡中、サイレンを鳴らし、赤色灯をつけていた。信号待ちで止まった際、車がバックして後続のパトカーにぶつかってきたという。車がさらに逃走しようとしたため、地域課の男性警部補(47)と男性巡査長(26)がパトカーから降り、発砲すると警告した上で撃った、と八尾署は説明している。

 署によると、運転席側から警部補が、助手席側から巡査長が発砲したという。八尾市消防本部によると、男は右脇腹と右肩を撃たれていた。

 署によると発砲後も車は動き、信号柱に衝突して停車。男を公務執行妨害容疑で現行犯逮捕した。付近ではトラックも停車していた。警部補は拳銃をホルダーに納める際に誤って地面に1発発射したという。福井定紀副署長は「被疑者が亡くなられたことについては、残念でありますが、詳細については現在調査中です」とコメントした。

 近くに住む30代の女性会社員は「自宅のガレージにいたときにパトカーのサイレンの音と、『止まりなさい』という声が聞こえた」という。「パンパンパンと複数発の銃声が聞こえた。銃声を聞くのは初めてで怖かった」と話した。
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