ガス料金さらに安く 特殊なエリアの千葉・外房、国の補助対象に

千葉県・外房地域の家庭用ガス料金が、2月請求分から更に安くなる。世界的なエネルギー価格の高騰で上昇している電気と都市ガス料金の家計負担を軽減するため、国が事業者などに補助金を出す政策がスタートしたからだ。同地域は地元で天然ガスが採掘され、都市ガスの料金が比較的安価に安定している特殊なエリアだが、国の補助対象になった。

国がスタートさせるのは「電気・ガス価格激変緩和対策事業」。今後想定される電気と都市ガス料金の値上げを抑えることを目的として、総額3・1兆円を投じる。都市ガスについては、1~8月は料金を1立方メートルあたり30円、9月は同15円を全国一律で値下げしてもらい、国がその分を各事業者に全額補助する。

県産ガスを原料として都市ガスを供給している大網白里市によると、現在の標準家庭(月47立方メートル)の月額料金は税込み4275円。これが事業の始まる2月検針分からは3割以上も値下げされ、同2865円となる。海外からの輸入ガスを主原料としている大手ガス会社の値下げ後の料金と比較すると、約3分の1の水準だ。

大網白里市と同じように県産ガスを原料として供給している東金市や九十九里、白子、長南の各町でも、ガス料金が同様に値下げされる。茂原市など広域に都市ガスを供給している民間事業者「大多喜ガス」(同市)の料金も同じく安くなる。

外房地域で採掘されている天然ガスの価格は、ロシアによるウクライナ侵攻などを原因とした国際的なエネルギー価格高騰の影響をほとんど受けていない。このため、東金市の担当者は同事業から除外される可能性もあると考えていた。だが、国に何度も照会した結果、値下げの対象となることが確認できたという。「ガス以外の物価高もあるため、市民には助かると思う」と歓迎している。

値下げ事業を所管する資源エネルギー庁電力・ガス事業部政策課は「事業を速やかに進めるためにも輸入原料かどうかにはこだわらずに都市ガス事業者という枠組みで対象とした」と説明している。

https://mainichi.jp/articles/20230116/k00/00m/040/095000c