これで雪に埋もれない…煙突型の「排気筒」で車内への排ガス流入を防ぐ 塩尻市の池内さん試作
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023011900080
雪に囲まれた車の内部に排ガスが流入するのを防ぐ方法はないものか―。
こんな発想を基に塩尻市広丘野村の地方公務員池内正典さん(55)が、
車のマフラーに取り付ける煙突状の「排気筒」を試作した。
大雪の際に車内で一酸化炭素(CO)中毒になる危険性を下げる狙いだ。
池内さんは自らの試みが専門メーカーなどの開発のヒントになれば―と期待している。
日本自動車連盟(JAF)長野支部(長野市)によると、雪で囲まれ、
車のマフラー付近がふさがれた状態が続くと、排ガスは行き場を失って車体下部に流れ込み、
車の隙間から内部に侵入する。
同支部の交通安全担当者は事故を防ぐ排気筒の存在について「聞いたことがない」と話す。
池内さんは、新潟県柏崎市で昨年12月に車内で暖を取っていたとみられる女性が
CO中毒の疑いで亡くなる事故があったことを受けて、試作を思い立った。
耐熱性がある内径6センチの塩化ビニール管をつなぎ、高さ約1・2メートルの排気筒を作製。
数字の「2」を縦長にしたような形にした。
車に取り付け、CO濃度を測定器で調べると、マフラー付近では確認せず、
排気筒上部の排出口付近で検知した。
池内さんはマフラーと接する部分は高温になると考え、加工したアルミ缶を
塩ビ管内部に入れるなど工夫。ただ、
「燃料が不完全燃焼するなどの恐れもあり、専門家の検証が必要」とする。
排気筒上部を伸縮自在にする作りも考えたが、難しかった。
「素人ができるのはここまで。あとは専門知識のあるメーカーに
製品化できるかを含め検討してもらえないだろうか」と話している。
自身も若い頃はスキーを楽しんだという池内さん。「車の周囲の除雪が大前提」と強調する。
将来、除雪用のスコップなどと共に、製品化された排気筒が
車に乗せられる防災グッズの一つになればいいと期待している。