オランダのルッテ首相がバイデン大統領と会談、対中半導体輸出規制はEUや日本との協議へ
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20230120-2568977/
すでにASMLは、米国の圧力により、中国向けにEUV露光装置(SMICおよびSK Hynixの無錫工場向け)の輸出許可がオランダ政府より下りず、機会損失が生じている。ASML以外にもオランダのハイテク企業の多くが中国市場で売り上げを伸ばしているようで、そうした視点からも中国市場を手放したくない背景が見える。

そうしたハイテク企業2200社が加盟する業界団体「FME」は1月17日、EUの欧州委員会(EC)に対し、半導体技術の対中輸出を制限する意向の有無に関して立場を明確にするように求め、オランダだけではなくEUとしての強力な統一行動が必要だと訴えたと複数の欧州メディアが報じている。また、ベルギー首相を含む一部の欧州の政治家からは、半導体政策についてオランダが米国と単独交渉するべきではないとし、この問題をEUとして取り組むべきだと主張している。

日本政府も対中強硬姿勢を強める米国から同調を求められており、一定程度協力する方向で調整が進んでいるといわれているが、中国市場での売上高が大きな装置メーカーが市場を失うことは、そのまま業績悪化を意味するため、日本政府の最終判断を米国のみならずEUやオランダも注目している。