「温水洗浄便座症候群」に要注意! 使いすぎると便漏れも…便をすっきり出やすくする姿勢は?

病気や健康の疑問に、読売新聞の医療サイトのキャラクター、ヨミドックが答えます。今回のテーマは「温水洗浄便座症候群」です。

  Q  訪問先のトイレに温水洗浄便座がなくて困ったよ。洗わないと気持ち悪くてね。

  ヨミドック  それは誤解です。温水洗浄しすぎると、お尻にトラブルが生じます。

  Q  えっ、どういうこと?

  ヨ  使いすぎによって、肛門周辺の皮膚に湿疹やしみが出る、黒ずむ、ひび割れができるなどの症状が起きます。かゆみや痛みを伴い、「温水洗浄便座症候群」と病名も付いています。皮膚が伸び縮みしにくくなり、便を出しづらくなることもあります。
  Q  なぜだろう?

  ヨ  皮膚は、油分を含んだ膜で守られています。強い勢いで温水を1分、2分と当てると、膜が飛ばされて、むき出しになった皮膚は傷つき、様々な症状が表れます。お尻の周りの皮膚は目の周りと同様に薄く、ダメージを受けやすいんですよ。温水洗浄便座の使用は、目の周りに水鉄砲を当てているようなものです。

  Q  それは大変だ。

  ヨ  使いすぎは便漏れのような症状も引き起こします。肛門の中に温水が入り、あとで便と一緒に出てくると考えられます。千葉県の亀田総合病院のチームによる研究では、温水洗浄便座を使っていて、便漏れに悩む患者81人に、約4週間使用をやめてもらったところ、4割で症状が消えました。1日2回以上使う人や肛門のしまりが弱い人ほど、症状が重くなりやすいことも分かりました。

 Q  どう使えばいいの?

  ヨ  温水洗浄便座を使う場合は、〈1〉水圧は一番弱くする〈2〉水温は低めにする〈3〉洗浄時間は5秒以内とするのが望ましいでしょう。時間は短いほどよく、1日1回にとどめてください。排便を促すために肛門を刺激する使い方はお勧めできません。肛門周辺にトラブルがある場合は使用を数週間控え、症状が重い場合は肛門科を受診しましょう。

  Q  きれいになるかなあ。

  ヨ  使用を控えてみると、トイレットペーパーで拭くだけで、お尻はきれいになることがわかります。何度も拭く必要がある場合は、便が肛門近くに残っている可能性があります。便が残らないような生活習慣が大切です。便意を感じたらすぐにトイレに行きましょう。足裏を全て地面に着け、ロダンの「考える人」のような姿勢をとると、便がすっきり出やすくなります。
https://news.yahoo.co.jp/articles/618eb83168ada97c463fabad6ab359341cbe7473