開発中に「びっくりドンキーらしさがない」の声も “唯一無二”の卵かけご飯が生まれた経緯
2023年01月22日 05時00分

ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」は2021年10月、モーニングメニューとして「卵かけご飯」(330円)の提供を開始した。
販売に至るまでにさまざまな議論を重ねてきた結果、「びっくりドンキーでしか食べられない唯一無二の『卵かけご飯』が誕生しました」としている。開発の背景を運営会社であるアレフ(札幌市)の担当者に聞いた。

卵かけご飯には、みそ汁とハンバーグにかける「オリジナルハンバーグソース」がついている。ひき肉のうまみを感じるしょうゆベースのオリジナルソースだ。

担当者は「卵かけご飯に合う量を検討した結果、ハンバーグディッシュより多い量としています」と説明する。朝食メニュー全注文数に占める卵かけご飯の注文数は5.4%だという(22年11月25日~23年1月8日の集計)。

卵かけご飯を開発したのは、モーニングメニューを強化するためだ。コロナ禍の影響で店内飲食のニーズが社会全体で減少する一方で、朝食の需要が高まっていると同社は分析。今までびっくりドンキーを利用したことのない層を取り込む狙いもあった。
20年4月、宮城県の7店舗で午前8時に開店し、モーニングメニューの提供を開始した。その後、提供エリアを徐々に拡大。現在は、全339店のうち233店でモーニングメニューを提供している(1月20日時点)。物理的に朝型営業ができないケースを除き、今後も対象店舗は拡大していく予定だ。

モーニング導入のコンセプトは「朝から手軽に(量も価格も)食事を楽しんでもらうこと」。最初はトーストメニューだけを扱っていたが、20年秋に「ミニマムバーグディッシュ」、21年10月に卵かけご飯を追加していった。1月25日からは新しいモーニングメニューも販売するという。種類を増やすことで、好みの朝食を選択できるようにするのが目的だ。

モーニングメニューはどんな層が食べているのか。郊外の店舗では年配の利用者が多く、都市部では若年層や主婦層の利用が多いという。年代による出食メニューの傾向は特にないが、トーストメニューとハンバーグディッシュメニューの出食率はほぼ半々という状態だ。

アレフ社内でモーニングを強化する話が出た際、ある社員から「モーニングメニューに卵かけご飯がないのはおかしい!」という声が上がった。そのことがきっかけとなり、商品開発に着手した。

最初に開発したのはメレンゲを使用した卵かけご飯だったが、社内からは「びっくりドンキーらしさがあまり感じ取れない」「びっくりドンキーに来店して食べたい商品か」という厳しい声が寄せられたという。

試行錯誤を経て、ハンバーグにかけるオリジナルハンバーグソースをかけるというアイデアに行きついた。オリジナルソースの量についても「ハンバーグ提供時と同じ量にすべき」「卵の味を感じられる分量にすべき」といった議論を経て、現在の量に落ち着いた。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2301/22/news025.html

ハンバーグにかける「オリジナルハンバーグソース」が特徴(出所:プレスリリース、以下同)
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