足とさよなら、小4の花さんは自分で決めた 歩車分離式信号設置して

「あれ?」

真っ暗な病室のベッドの上。右足のかかとのあたりにかゆみを感じて、北海道函館市のポタサニャー花ヘレナさん(13)は手を伸ばした。足首から下が、やはり、ない。

「そうだよね、足とはさよならしたんだった。自分で決めたんだ」

お気に入りのぬいぐるみを抱きしめて、眠りに吸い込まれていった。2019年9月の夜、小学4年生だった。

約1週間前の9月3日朝、花さんは登校中に交通事故にあった。自宅近くの信号交差点を母親の朱月(あつき)さん(50)と一緒に横断していた。大型トラックが後ろから右折してきた。とっさに朱月さんが花さんの腕を引っ張り、上半身はよけることができたが、右足が車輪にひかれた。感じたことがない鈍い痛みが走り、倒れ込んだ。

右足は足首から先の皮膚がはがれ、骨が見えていた。痛みより、恐怖の方が大きかった。

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