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無知すぎる保守派が嘲笑の的に ピンク・フロイド「虹ロゴ」を巡る「狂気の騒動」(Rolling Stone Japan)
https://news.yahoo.co.jp/articles/1573f28fc3a64f571479a11842042d56bd924495

英国を代表するプログレッシブ・ロック・バンド、ピンク・フロイド(Pink Floyd)が『狂気』リリース50周年記念ロゴを公表。「Wokeに走った」とレインボーロゴに怒り心頭の保守派に対し、熱心なファンたちはどんな反応を見せたのか?

アーティストのギルバート・ベイカーが製作したレインボーフラッグがクイア解放のシンボルとして最初に使われたのは1978年、サンフランシスコでのパレードだった。ピンク・フロイド8枚目のアルバム『狂気』(原題:The Dark Side of the Moon)がリリースされたのはその5年前、1973年だった。プリズムに差し込んだ光が虹を描くアートジャケットは、デザイナーの故ストーム・ソーガソンがピンク・フロイドの有名なライトショーにオマージュを捧げたものだ。

そして2023年。伝説的なバンドが歴史に金字塔を打ち立てた作品の50周年を迎える中、誤った情報を仕入れたごく少数のファンが、2つのカウンターカルチャーを混同して勝手に怒り狂っている。今月19日、ピンク・フロイドの公式Facebookに50周年の記念ロゴが発表されるや、レインボーのデザインが指しているのはバンドの代表作のジャケットではなく、LGBTQへの団結だと思い込んだファンから怒りのコメントが相次いだ。

「だよな、ピンク・フロイドのファンはいつも『ピンク・フロイドがもっとゲイだったらよかったのに』って言ってるもんな」と、ある男性はコメントしている。「気色悪い」と述べているのは、新型コロナウイルスの真実を騙るミームをプロフィール画像に使っているユーザーだ。「昔はよく聴いてたけど、もうやめた。なんでもかんでもゲイのプロパガンダだらけだ」

Twitterではレインボーバッシングはそこまでひどくなかったが(むしろ50周年記念デラックスボックスセットの300ドル=約39000円という価格が争点になっていた)、あるユーザーはバンドが「完全に体制化して、大きな政府の支持に回った」と批判した。

保守派「えせファン」を嘲笑う大喜利大会

だが、冷静な人々やメディアがこうした無知な反応を失望交じりに受け止め、質の悪いネット荒らしやFoxニュースに毒された忘れっぽいベビーブーマーのせいだと受け止めている間に、波はさぁっと引いていった。年代・経歴を問わずピンク・フロイドの熱心なファンが、嘲笑を大量投下して同性愛嫌悪者を葬り去ったのだ。Facebookのスレッドは、こうした人々を「えせファン」(Fake Fans)と呼ぶコメントであふれ返った。バンドの音楽がいかに反権威主義的で左寄りかを指摘する声も多かった(『狂気』収録曲の大半を手がけたメンバーのロジャー・ウォーターズは、2017年のツアーでトランプをバッシングして一部の観客を怒らせた)。

(後略