【編集者のおすすめ】『日本にやって来たユダヤ人の古代史』田中英道著 「正史」見直す斬新な説が続々 - 産経ニュース
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『日本にやって来たユダヤ人の古代史』田中英道著(文芸社・1760円)

『旧約聖書』の時代から5世紀にかけて、秦氏ユダヤ人が5波に分かれて日本に渡来し、日本人に同化していったことを、実例を挙げながら論証した研究書です。秦氏ユダヤ人たちは日本の神話の登場人物となり、天皇家を支え、古墳や神社を造り、日本の文化や芸能の形成や繁栄にも関わりました。

秦氏ユダヤ人の日本への同化は、ミズラ(ペイオト)の髪形にした人々の移動ルートや、「ユダヤ人埴輪(はにわ)」を見ればわかると著者の田中英道氏は主張します。また日本とユダヤのつながりというと、日本人とユダヤ人の先祖は同じだとする「日ユ同祖論」が有名ですが、田中氏によるとそれは完全な誤りだということです。さらに、日本の多くの歴史学者はマルクス主義や左翼思想にかぶれているとして批判し、古代史研究は形象学(フォルモロジー)を取り入れた上で全面的に見直すべきだと訴えます。

本書は「正史」を疑う斬新な説が次々と説得的に述べられており、著者の「ユダヤ人研究」の集大成ともいえる一冊です。著者の唱える「同化ユダヤ人説」がわかりやすく書かれており、大きな反響を呼んでいます。

フランス・イタリア美術史研究の第一人者として活躍する一方、日本独自の文化・歴史の重要性を提唱し、日本文化や歴史の「すごいところ」を独自の視点で紹介してきた「知の巨人」が、日本の言語・文化・芸術の形成に同化ユダヤ人がどれぐらい貢献したかを明らかにした、この一書をお勧めします。