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米国株、ダウ続伸し28ドル高 インフレ鈍化が支えも上値重く ナスダック上昇

27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に6日続伸し、前日比28ドル67セント(0.1%)高の3万3978ドル08セントで終えた。インフレが落ち着く方向にあるなか、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの観測が株買いを誘った。決算発表の内容が好感された一部銘柄が買われたこともダウ平均を支えた。ただ、週末を控え、利益確定の売りも出て取引終了にかけて上げ幅を縮小した。

朝方に発表された2022年12月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が前年同月比4.4%上昇し、市場予想と一致した。上昇率は11月の4.7%から鈍った。FRBが重視する物価指標でもインフレが落ち着きつつあるとの見方が広がり「市場は年前半の利上げ停止を視野に入れている」(インガルズ・アンド・スナイダーのティム・グリスキー氏)との声が聞かれた。

クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが11%高となった。朝方に22年10〜12月期決算と同時に発表した23年12月期通期の収益予想が市場予想を上回った。同業のビザは前日夕に発表した四半期決算で売上高と1株利益が市場予想を上回り、3%上昇した。2銘柄でダウ平均を150ドル強押し上げた。

ダウ平均の上げ幅は午後に200ドルを超える場面があったが、買い一巡後は急速に伸び悩んだ。前日までの5営業日で900ドルほど上昇し、週末を控えて持ち高調整や利益確定の売りが出やすかった。市場では「来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)や主力ハイテク企業の決算発表など相次ぐ重要イベントを控えており、取引終了にかけて売りが出た」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との声が聞かれた。

半導体のインテルが6%安となった。前日夕に発表した四半期決算が市場予想を下回ったうえ、23年1〜3月期の1株損益の見通しは市場予想に反して赤字を見込む。石油のシェブロンも27日に発表した四半期決算で1株利益が市場予想に届かず、4%安で終えた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続伸し、前日比109.297ポイント(0.9%)高の1万1621.710で終えた。4カ月半ぶりの高値。25日夕に発表した決算内容を好感した買いが続き、電気自動車のテスラが連日で11%高。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや画像処理半導体のエヌビディアも高い。