水戸駅前には納豆の像が立っている。「水戸納豆」は全国区になった。
今でも知名度は抜群なのだが、水戸市内の納豆関係者が気をもむランキングがある。
それは年間の1世帯当たりの納豆購入額だ。
水戸市は2016年を最後に首位から遠ざかっている。近年では20年は6061円で5位、21年は6041円で3位だった。
水戸市に代わって上位に食い込んだのは東北地方の都市だ。17、19~21年の1位は福島市で、18年の1位は盛岡市。
山形市は20、21年に2位だったほか、仙台市も上位の常連だ。
危機感を抱いた水戸商工会議所は18~21年に毎年、納豆を使ったレシピを募集するコンテストを開いた。
20年にはついに、デザートにも進出。「禁断の納豆スイーツコンテスト」と題して実施すると、たい焼きが入賞した。
中には、あんこと納豆が詰まっていた。
納豆メーカーでつくる県納豆商工業協同組合の水戸支部長で、だるま食品(水戸市)代表の高野友晴さん(50)は「1位じゃなくても納豆の街の地位は揺るがないと思いますが、街のピースが一つ足りていない感じがしますよね」。
市内にある納豆メーカーの主力商品は、お土産用や贈答用のわらに包まれた納豆が中心だ。
高野さんは新型コロナウイルス禍の影響を受けた後の観光需要が気になるとしつつも、「日本一納豆を食べる街に戻れば、納豆の街全体としてさらに盛り上がっていくはずです」と期待を寄せる。
22年の納豆購入額は、2月上旬に公表される予定だ。
納豆関係者は、この言葉を心に秘めて、結果を待っている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f73b75cc9477b08607217a57778e7e2b9f57ef83