【証言】フィリピン拠点の特殊詐欺の実態を知る人は
2023年2月2日 17時39分

(略)
フィリピンに到着して連れて行かれたのは都市部にある廃ホテルで、10代後半から高齢者まで30人以上が1グループ8人ほどに分かれて電話をかけていて、ほかに数人のとりまとめ役がいたということです。

男性は「全身や顔に入れ墨を入れた人もいた。一番若いのは19歳で高校出たばかりくらいの人もいた。北海道出身の人が多いということは耳にしたし
、『ここで一旗揚げたいとか、100万円をもうけて帰りたい』とかそういう話をしていた」と振り返りました。

男性は到着した日から3日間、詐欺の電話をかける手順などについて教えられたといい
「ほかの人がかけている電話の会話をじっと聞いていることが多かった。銀行員や警察官、金融庁の職員を名乗って次々に電話をかけていた。
電話をかける先の名簿は一日に2、3回は変わっていたと思う。名前と住所と電話番号が書かれていて、高齢者が多いと聞いた。
グループの幹部は私たち新人には優しく接していたが、成績をあげられない人には『技術が足りない』とかなりきつく叱責していた」と話しました。

さらに「金曜日にはその週の締めをやっていて『成績優秀者』の名前を呼んで表彰していた。
今週は20万とか30万もうけたと言って羽振りのよさそうな人もいた。その先には被害者がいるわけでやるせない気持ちが強くなった」と振り返りました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230202/k10013968291000.html