五ノ井さんは東日本大震災で被災した際に、支援してくれた女性隊員にあこがれ、自衛隊に入隊したといいます。しかし、あこがれの自衛隊で受けたのは、約2年間にわたる日常的な性暴力でした。

性被害を受けた元陸上自衛官 五ノ井里奈さん(去年12月)
「セクハラを超えた性暴力を受けました。男性隊員は私に覆(お)いかぶさり、股(また)を広げて、何度も腰を振る行為をしてきました」

去年9月、防衛省は複数のセクハラ行為が行われていたことを認め謝罪。そして、陸上自衛官の隊員5人を性的な接触を行ったと認定し、懲戒免職としていました。

その後、五ノ井さんは、隊員側の3人から示談を持ちかけられていることを明かしていましたが、訴訟を起こすにいたった理由について――

性被害を受けた元陸上自衛官 五ノ井里奈さん
「できることなら、私としては戦う選択をしたくなかったのですが、本当に反省しているのかどうかというのが伝わらない」

五ノ井さんがこう感じたのには、ある出来事がきっかけでした。実は、示談を持ちかけられた際、加害者側の弁護士が作成した書類の中に、「個人の責任を問われるか疑問があるが…」という言葉があったといいます。これに対して、「責任がないということを言っているんでしょうか?」などと問い合わせたものの、回答がない状況だということです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/68f96b570d2b5d05b367dc80e00ebcae4f48aad0