お前らが万引きのメカニズムを理解できるように仕方無く自分語りしてやるけど
クソガキ(小1~3くらい)の頃、家族で外出した先でスーパーに寄ったときの話だ
外出中ずっと遊んでいたゲームボーイの電池がいよいよ切れかけていて、それでもまだゲームを遊びたい俺はどうしても乾電池が欲しくなった
だがいつも親には「ゲームばかりやるな」と叱られていたので、そこで素直に「買ってくれ」と言い出すことができなかったんだ
苦渋の決断だった
ポケットに乾電池の確かな重みを感じながら、スーパーの自動ドアを早足でくぐった
心臓の音が鳴り止まない中、後部座席でいそいそと電池を交換しゲームボーイの電源を入れた
ゲームボーイのランプは緑色に灯っていて、俺はそのとき確かな充足を感じていた