8000m峰14座まであと1座!渡邊直子さんがシシャパンマへ
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ヒマラヤの8000m峰14座登頂をめざしている看護師で登山家の渡邊直子さん(41歳)が、
最後の1座となるシシャパンマ(8027m)登山に必要な資金を集めるための応援プロジェクトが始動した。
目標金額は500万円で、3月17日まで「Makuake」で募集中だ。

渡邊さんは1981年生まれ、福岡県出身。
小学生のときに初の雪山登山に魅了され、中学1年生で初めてパキスタンの4700m登山を経験。
登山と両立しながら大学を2つ卒業し、看護師をしながら資金を貯めて登山を続けてきた。
8000m峰へのトライ数は24回。2006年のチョー・オユー(8188m)を皮切りに
コンスタントに登頂を重ね、18年にはK2にも成功。
20年はコロナ禍で予定していた登山ができなかったものの、
21年から22年にかけて一気に7座に登頂し、シシャパンマを残すのみとなった。

「日本だけでなく、世界中の子供たちに海外での冒険を体験してもらいたい。
登山はもちろん、世界には楽しいことがたくさんあることを知ってほしい。
そのためにまず、世界女性初8000m峰全14座登頂を果たし、
世界中の人に私の活動を知ってもらいたい」」と渡邊さんは語る。
「今までは自分の趣味のひとつとして続けてきた登山だったが、これからはこれまでの経験を活かして、
社会に貢献したい」と、14座成功後は子どもを対象としたヒマラヤ冒険のプロジェクトに取り組む予定だ。

今回の挑戦を「本当の世界女性初となる8000m峰14座制覇」と位置づける渡邊さん。
女性の14座登頂者は2010年のエドゥルネ・パサバン(スペイン)が世界初、
無酸素では2011年のゲルリンデ・カルテンブルンナー(オーストリア)が初だが、
渡邊さんはウェブサイト「8000ers.com」のデータに基づき、
これまでの女性登頂者は本当の山頂に立っていない登山があったとし、
自身がシシャパンマに登頂した場合、世界の女性で初めての記録となるとしている。

8000m峰14座登頂は1986年に無酸素で達成したラインホルト・メスナー(イタリア)が世界初、
翌年のイェジ・ククチカ(ポーランド)ら、これまで53人が達成。
日本人では竹内洋岳さんが2012年にダウラギリに登頂して初めて達成した。
しかし、前述のウェブサイトを運営するドイツのエバーハルト・ユルガルスキーは
写真の分析や周囲の聞き取りなどにより過去の登頂記録を検証し、
本当の山頂に登頂しているのは男性4人だけで、メスナーも本当の山頂に到達していないケースがあったとしている。
過去の登頂記録をどこまで遡って検証するのか、その検証の妥当性をどう評価するのか。
14座を巡り、あらたな課題も浮上している。

渡邊さんのシシャパンマ遠征は2023年春の予定。
現在は準備を進めながら登山許可を待っているが、シシャパンマは入山が制限され、
許可の取得も簡単ではない。渡邊さんは、今春の許可が下りなければ秋のチャンスを狙うとのことだ。
応援プロジェクトの詳細はMakuakeのウェブサイトへ。