>>446
それは普遍的リベラリズムのこと
以下を読むこと
 
宮台 ロールズによれば、普遍的リベラリズムとは、「もしお前がオレでも耐えられるのか。耐えられないのなら制度を変えろ」という思想だ。
立場の可換性=入換可能性を掲げていて、分かりやすいよね。
でも、サンデルによれば穴がある。
「お前がオレでも耐えられるのか」と反実仮想する場合、「基本財の同じさ」が前提になる。
平たく言うと「基本的な生活に必要なものを同じように大事だと思うこと」。
つまり、ウィトゲンシュタインの言語ゲーム論の概念を使えば、「生活形式の共有」が前提になる。

 だから、民族や宗教や近代化度が違って生活形式が全く異なる相手に対しては、通用しない。
基本的な生活に必要なものが違うからだ。
「お前がオレでも耐えられるのか」に対して「耐えられるよ」で終了。
「へえ、お前は耐えられないのか、バカじゃねーの」と。
生活形式が違う者たちの間では立場の可換性は非現実的なんだね。
「死ぬのは嫌でしょ?」「別に」という話になりかねない。
もっと言うと、ベンサム流の「最大多数の最大幸福」が成り立たないんだ。
そればかりか、肯定性より否定性の方が共有しやすいとして「否定性の再配分」を退けるべくローティが提案した、「最大多数の最小不幸」も、成り立たなくなってしまう。