5日午前11時40分ごろ、東京都世田谷区桜の住宅で、白骨化するなどした2人の遺体が見つかった。この家に住む90代男性と80代女性の夫婦と連絡が取れなくなっており、警視庁世田谷署は遺体はこの2人の可能性があるとみて、身元特定を急ぐとともに、同居する娘(54)から事情を聴いている。

同署によると、住宅には夫婦と娘が3人で暮らしていた。4日午後2時ごろ、親族が「(男性と)連絡が取れない」と交番に通報。世田谷署員が住宅を訪ねたところ応答がなかったが、5日午前に再訪したところ、2階の寝室と1階のトイレ前で、性別不明の白骨化した遺体と、腐乱した女性の遺体がそれぞれ見つかった。

娘は署員に対し、「1年以上前、母から『父は2階で死んでいた』と言われたが、怖くて遺体を見られなかった」と説明。母については「昨年9月下旬にトイレで倒れていた。転んで死んだと思った」などと話した。
 娘は通報しなかった理由について、「現実を直視できず、人とコミュニケーションを取ることも苦痛だった」などと話しているという。

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